ビザ申請で役立つ日本語学校卒業証明書の意味とは

日本語学校卒業証明書

外国人が日本で働くためには、必ず「在留資格(就労ビザ)」の取得が必要です。しかし、就労ビザは誰でも簡単に許可されるわけではなく、学歴や職歴、専門性 が重要な審査ポイントとなります。

その中で、しばしば企業や申請者から質問されるのが 「日本語学校の卒業証明書はビザ申請に有効か?」 という点です。

この記事では、ビザ申請において日本語学校卒業証明書が持つ意味や、申請時の活用方法、注意点を詳しく解説します。外国人社員を雇用する企業の人事担当者や、これから日本で働きたい外国人の方に役立つ内容です。


目次

1. 日本語学校卒業証明書とは?

基本的な位置づけ

日本語学校卒業証明書は、外国人が「日本語教育課程を修了した」ことを証明する書類です。一般的には以下のような場合に発行されます。

  • 日本語学校の正規課程を修了したとき
  • 指定教育機関における一定期間(通常1年以上)の学習を終えたとき

日本語学校の種類

  • 法務省告示校(いわゆる「告示校」)
    → 入管庁に認められた正規の日本語教育機関
  • 非告示校
    → 正規の就学ビザでは入学できないが、短期滞在中の学習などで利用される場合あり

就労ビザ申請において評価されるのは、基本的に「告示校」の卒業証明書です。


2. 就労ビザ申請における日本語学校卒業証明書の意味

① 日本語能力の証明

就労ビザ申請では、日本で業務を遂行するために十分な日本語能力があるか が重要視されます。特に営業・事務・接客など、日本語を使う機会が多い職種では、日本語学校の卒業証明書は「日本語教育を正式に受けた証」として評価されます。

② 日本滞在歴・学習意欲の裏付け

卒業証明書は、単に語学力だけでなく、日本での生活適応能力 を示す材料にもなります。長期間にわたり日本語学校に通った事実は、日本での生活に必要な基盤が整っていることの証拠になります。

③ 高卒・大卒資格がない場合の補完資料

通常、就労ビザの審査では「大学卒業」または「実務経験10年以上」が求められます。しかし、学歴要件を満たさない場合でも、日本語学校の卒業証明書があることで「日本語能力や就労適性を示す補足資料」として活用できます。


3. 日本語学校卒業証明書だけでビザは取れるのか?

結論から言うと、日本語学校卒業証明書だけでは就労ビザの許可は下りません

理由

  • 日本語学校は「語学教育機関」であり、専門学校や大学とは異なる
  • 入管の学歴要件(大学卒業または専門士取得など)には該当しない

ただし、以下のようなケースでは大きな意味を持ちます。

  • 専門学校や大学に進学し、さらに専門性を学ぶ際の前提資料
  • 技術・人文知識・国際業務などの就労ビザ申請時に、日本語能力の証明として提出
  • 特定技能ビザ申請で、JLPTの合格証と併せて「語学学習歴」を補完する

4. 日本語学校卒業証明書の活用場面

(1)就労ビザ申請

  • 日本語を使う職種 → 日本語能力証明として有効
  • 採用企業が外国人の語学力を示す際に添付

(2)永住許可申請

  • 日本での滞在歴や学習歴の一環として評価される

(3)帰化申請

  • 日本語能力を示す一資料として提出が求められることがある

5. 企業が知っておくべきポイント

採用時の誤解を避ける

  • 「日本語学校を卒業しているから就労ビザが取れる」 → 誤解
  • 正しくは「日本語能力の証明になるが、それ単体では不十分」

面接時の確認

  • 卒業証明書と併せて、日本語能力試験(JLPT)の合格証や会話テストで確認するのが望ましい

書類提出のタイミング

  • 入管に提出する際は、原本またはコピー+翻訳文が必要になることがある
  • 翻訳は日本語か英語で作成し、署名をつけるのが一般的

6. よくある質問(FAQ)

Q1. 卒業証明書がなくても就労ビザは取れますか?
A. はい。学歴や職歴が要件を満たしていれば問題ありません。ただし、日本語能力を示す資料が不足する場合は不利になる可能性があります。

Q2. 修了証明書と卒業証明書の違いは?
A. 修了証明書は「課程を一定期間修了した」証明、卒業証明書は「正式に卒業を認定された」証明です。入管では卒業証明書の方が評価されやすいです。

Q3. 海外の日本語学校の卒業証明書でも有効ですか?
A. 参考資料にはなりますが、日本の告示校に比べると評価は低めです。


まとめ

日本語学校の卒業証明書は、それ単体で就労ビザを取得する決定的要件にはなりません。しかし、日本語能力や日本滞在歴を証明する補強資料 としては非常に重要です。特に接客・営業など日本語を日常的に使う職種では、審査のプラス材料になります。

企業の人事担当者は、「卒業証明書=ビザ取得の保証」ではないことを理解した上で、採用時の参考資料として活用し、申請にあたっては行政書士などの専門家に相談するのが安心です。

当事務所では、日本語学校卒業証明書を活用したビザ申請サポートを含め、外国人雇用に関するトータル支援を行っています。お気軽にご相談ください。

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