日本で働くことを考えている外国人の方、または優秀な外国人材の採用を検討している企業様、在留資格「高度専門職」をご存知でしょうか。
高度専門職ビザは、特定の分野で高い専門性を持つ外国人材を積極的に受け入れるために創設された在留資格です。このビザは、通常の就労ビザと比較して、取得者や雇用企業に様々なメリットをもたらします。今回は、そのメリットと、スムーズに申請するためのコツについて解説します。
高度専門職ビザの３つの大きなメリット
高度専門職ビザを取得すると、主に以下の３つの大きな優遇措置を受けることができます。
1. 永住許可への近道 通常の就労ビザでは、永住権を取得するには原則として10年以上日本に在留する必要があります。しかし、高度専門職ビザの場合、以下の条件を満たせば、最短1年で永住許可申請を行うことができます。
- 高得点者（80点以上）： 専門分野での実績や学歴、年収などのポイント計算で80点以上を獲得した場合、わずか1年の在留で永住申請が可能になります。
- 通常の高度専門職（70点以上）： 70点以上を獲得した場合は、3年の在留で永住申請が可能になります。
2. 複合的な活動の許可 通常の就労ビザは、許可された活動内容以外は原則として行うことができません。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ方が、別の企業でセミナー講師として報酬を得ることはできません。しかし、高度専門職ビザは、在留資格で許可された活動に加えて、複数の分野にまたがる活動が認められています。
3. 様々な家族サポート 通常の就労ビザでは、外国人本人に扶養されている場合でも、配偶者や子供に許される活動は制限されます。しかし、高度専門職ビザの場合、以下のような手厚いサポートを受けることができます。
- 配偶者の就労：高度専門職ビザを持つ外国人の配偶者は、学歴や職務経歴などの条件を満たさなくても、特定の分野で就労することが認められます。
- 親の帯同：高度専門職ビザを持つ外国人の世帯年収が800万円以上の場合、親の日本への帯同が認められることがあります。
- 家事使用人の雇用：高度専門職ビザを持つ外国人は、一定の条件を満たせば、家事使用人（お手伝いさん）を雇用することができます。
スムーズな申請のコツ：ポイント計算が全て！
高度専門職ビザの申請では、ポイント計算が非常に重要です。学歴、職務経歴、年収、年齢、日本語能力など、様々な項目でポイントが加算され、合計70点以上で申請が可能になります。
1. ポイント計算表の徹底的な理解 まずは、出入国在留管理庁が公開しているポイント計算表を隅々まで確認し、自分が何点になるかを正確に把握することが第一歩です。特に、年収はポイント配分が非常に大きい項目ですので、正確な情報を用意しましょう。
2. 専門家である行政書士に相談する ポイント計算は複雑であり、自己判断で誤った情報を記載すると、不許可になるリスクが高まります。また、ポイントを証明するための書類を適切に準備することも重要です。
- 「年収がどのくらいあれば申請できるか」
- 「どの書類を提出すればポイントを証明できるか」
- 「複数の職歴がある場合、どのように記載すべきか」
など、自己判断が難しい場合は、在留資格手続きの専門家である行政書士に相談することをお勧めします。専門家は、申請者の状況を正確に把握し、最も有利なポイントを計算し、必要な書類を的確にアドバイスしてくれます。
3. 必要な書類の準備は計画的に 在留資格申請には、様々な証明書類が必要です。特に、海外で取得した卒業証明書や職歴証明書などは、入手までに時間がかかる場合があります。申請をスムーズに進めるためにも、行政書士と相談しながら、早めに書類の準備を始めることが大切です。
高度専門職ビザは、日本で働く外国人にとって、また外国人材を雇用する企業にとって、非常に魅力的なビザです。ご自身のスキルや経験が、このビザの要件を満たしているか、一度専門家にご相談してみてはいかがでしょうか。
