◆ はじめに
深刻な人手不足が続く外食業界。解決策のひとつとして注目されているのが「特定技能外国人」の雇用です。
しかし、特定技能人材の受け入れには複雑な手続きと計画的なスケジュール管理が必要です。
この記事では、採用計画から就労開始までの事務スケジュールを、具体的に時系列でご紹介します。
目次
◆ 特定技能の基本をおさらい
「特定技能1号(外食業)」は、一定の技能と日本語能力を有する外国人が、即戦力として働ける在留資格です。
外食業での就労が可能になるには、以下の2つの要件を満たしている必要があります:
- 外国人本人が、試験合格者または技能実習2号修了者である
- 雇用主(企業)が、受入機関の要件を満たしている(協議会加入など)
◆ 採用から就労開始までの事務スケジュール(全体像)
以下は、国内在住の外国人を雇用する場合の代表的な流れです。海外在住者を採用する場合は、より長いリードタイムが必要です。
フェーズ | 内容 | 所要期間(目安) |
---|---|---|
① 事前準備 | 求人作成、試験合格者の募集、面接、雇用内定 | 2〜4週間 |
② 協議会加入 | 外食業特定技能協議会への加入手続き | 約1週間 |
③ 支援計画作成 | 登録支援機関への委託 or 自社作成 | 1〜2週間 |
④ 在留資格変更申請 | 入管へ申請(必要書類準備を含む) | 審査に約1〜2か月 |
⑤ 就労開始 | 在留カード交付後、雇用契約発効・勤務開始 | 即日可 |
◆ フェーズごとのポイント解説
🔹 ① 事前準備(採用活動)
- 技能試験・日本語試験の合格証明の確認が必須
- 面接では日本語能力や、支援計画の説明理解度も確認
- 雇用条件書(特定技能用の様式)を準備
✅ ポイント: 外国人採用に不慣れな企業は、ここで支援機関や行政書士に相談を始めるのが理想的です。
🔹 ② 外食業特定技能協議会への加入
- 特定技能で雇用する企業は、必ず協議会に加入する必要があります。
- 加入申請後、会員証の発行まで約1週間程度。
✅ ポイント: 申請前に誓約書や事業概要書などの準備が必要。急ぎたい場合はスムーズに進められるよう事前チェックを。
🔹 ③ 支援計画の作成
- 受け入れ企業が外国人に対し、生活支援などを実施する義務があります。
- 登録支援機関に委託するか、**自社で実施(認定要件あり)**のどちらかを選びます。
✅ ポイント: 登録支援機関に委託する場合でも、委託契約書・計画書作成など準備が必要です。
🔹 ④ 在留資格変更許可申請
- 管轄の出入国在留管理局にて申請。必要書類は10点以上になることも。
- 審査期間は平均1〜2か月。混雑期はさらに長くなる可能性も。
✅ ポイント: 不備や説明不足があると、審査が止まります。経験豊富な行政書士のサポートでリスク回避を。
🔹 ⑤ 在留カードの交付 → 雇用開始
- 許可後、新しい在留カードが交付され、就労が可能に。
- 雇用契約を有効化し、社会保険加入・住民登録などの手続きへ。
✅ ポイント: 在留カードの交付日=就労開始日としてスケジュールを組むとスムーズです。
◆ よくある失敗例と対策
失敗例 | 対策 |
---|---|
審査が長引き、希望の就労日に間に合わなかった | 余裕をもって2〜3か月前に手続き開始を |
書類の不備で差し戻し | 専門家に事前チェックを依頼する |
協議会加入を忘れていた | 雇用前に必要要件のチェックリストを活用 |
◆ まとめ|スムーズな採用のカギは“逆算スケジュール”
特定技能外国人を外食業で採用するには、複数の機関との調整と準備が必要です。
「すぐに雇える」と思って動き出すと、思わぬ遅延を招くことになります。
👉 採用予定の2〜3か月前から準備を開始するのが理想です。
👉 経験のある行政書士・登録支援機関と連携し、事務の手間や不安を解消しましょう。
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