公共工事に参加するためには避けて通れない「経営事項審査（経審）」。
でも実際には…
「どこを評価されるのか分かりづらい」
「どうすれば点数が上がるの？」
「小さな会社でも点を取れる方法はある？」
という声をよくお聞きします。
本記事では、経審で審査されるポイントと点数アップのヒントを、行政書士の視点から解説します。
【1】経営事項審査（経審）とは？
経審とは、建設業者の「経営状態」や「技術力」などを数値で評価し、公共工事への参加資格の一部とする制度です。
発注者（主に国・自治体）はこの評価点数をもとに入札参加業者を決めています。
➡ 建設業許可を持っているだけでは、公共工事には参加できません！
➡ 「経審＋入札参加資格審査（格付け）」がセットです。
【2】経審の審査項目一覧
経審は以下の4つの大項目で構成され、それぞれ点数（P点）がつきます。
審査項目 内容 主な評価ポイント
Y点：経営状況分析 財務データから健全性を評価 自己資本比率・利益率など8項目
Z点：経営規模評価（財務） 売上高・自己資本額など 年間完成工事高など
X点：経営規模評価（技術） 技術職員数・元請工事数 一級施工管理技士の人数など
W点：社会性等評価 労務管理・法令遵守など 社保加入、女性技術者数など
総合評点（P点） 上記を基に算出 入札参加に使用される最終スコア
【3】実際の審査で重要な評価ポイントとは？
✅ ① 技術力（技術職員数）は大きなウエイト
技術職員の保有資格や常勤人数はX点に直結
特に「1級施工管理技士」が複数いると高評価
資格取得支援や雇用の工夫がカギ
✅ ② 完成工事高と元請比率
過去3年の完成工事高（直近が最も重視される）
元請工事が多いほどZ点がアップ
✅ ③ 財務健全性（Y点）
黒字経営が継続しているか
自己資本比率、負債依存度に注意
申請前に税理士・会計士と連携し決算書を整備
✅ ④ 社会性（W点）も侮れない
雇用保険・労災保険・厚生年金などの加入状況
建設キャリアアップシステム（CCUS）への登録
障がい者雇用や女性・高齢者活用などの取り組み
【4】中小企業・一人親方的経営でも点を上げるには？
💡 資格を取らせて“人”を評価対象に
→ 二級資格でも加点あり
💡 社保未加入は即マイナス
→ 加入すれば大幅加点
💡 元請工事を1件でも入れる工夫を
→ 下請け一辺倒では点数が伸びにくい
💡 決算書を戦略的に整える
→ 決算直後に点数シミュレーションすることで対策可能
【5】経審の有効期間とスケジュール
経審の有効期間は【1年間】
毎年、決算終了後すぐに準備を始めることが重要です
📌 ※遅れると、入札参加資格の更新に間に合わなくなることも
【6】経審を行政書士に依頼するメリット
✅ 点数アップのアドバイスが可能
✅ 決算変更届と同時進行でスムーズに
✅ 忙しい中小企業でも安心して任せられる
