建設業許可を申請する際、必ず選ばなければならないのが「一般建設業」か「特定建設業」か、という区分です。
「どちらを選べばいいのか?」「そもそも何が違うのか?」
この記事では、建設業に初めて参入する方や外国人経営者の方に向けて、「一般」と「特定」の違いをわかりやすく解説します。
「一般建設業」と「特定建設業」の基本的な違い
項目 | 一般建設業 | 特定建設業 |
---|---|---|
下請への発注 | 小規模な下請け(総額4,000万円未満)に可 | 大規模な下請け(総額4,000万円以上)に可 |
元請としての工事金額 | 制限あり(4,000万円未満 ※建築一式は6,000万円未満) | 制限なし |
許可要件(財産的基礎) | 比較的緩やか | 資本金・自己資本・財務内容に厳しい要件あり |
技術者の要件 | 専任技術者を1名配置 | 専任技術者+管理技術者の配置が必要 |
ポイント①:請け負う工事の規模で区分が分かれる
- 一般建設業は、元請として工事を行う際、下請けに出す金額の合計が4,000万円未満(建築一式工事は6,000万円未満)であれば取得可能です。
- 特定建設業は、それを超える金額の下請けを使うような大規模な元請工事を行う場合に必要です。
👉「大きなプロジェクトの元請になりたい」企業は、特定建設業の取得が必要です。
ポイント②:特定建設業は許可要件が厳しい
特定建設業の許可を取得するには、以下のような財務的な安定性が求められます。
- 自己資本額が2,000万円以上
- 欠損の額が資本金の20%未満
- 流動比率が75%以上
- 直前5年間に重大な施工不良等がないこと など
さらに、現場で工事全体をマネジメントする「管理技術者」の配置も必要になります。
外国人経営者の方が注意すべきポイント
✅ まずは「一般建設業許可」から始めるケースが多い
✅ 「特定建設業」は日本の財務基準での健全経営が求められる
✅ 資本金を増やす、実績を積むなどのステップアップ戦略が重要
✅ 経営・管理ビザの更新にもつながる信頼ある経営体制の構築が必要
よくあるご質問(FAQ)
Q. 最初から特定建設業を取ることはできますか?
A. 可能です。ただし、財務要件や技術者配置が厳しいため、まずは「一般」で許可を取得し、後から「特定」に切り替える企業も多くあります。
Q. 下請けに出さなければ、特定は不要?
A. 基本的にその通りです。元請工事で4,000万円以上を下請けに出す予定がある場合のみ、特定建設業が必要です。
Q. 外国資本の会社でも特定建設業の許可は取れますか?
A. 可能です。ただし、日本の財務基準に基づく決算書類や日本人の管理技術者が必要なため、専門家の支援が不可欠です。
当事務所では…
当事務所では、以下のようなサポートを行っています:
- 一般・特定建設業許可の取得支援
- 要件を満たすための事前診断
- 外国人経営者向けの日本語・英語によるご説明
- 管理技術者や経理担当者の社内整備のアドバイス
- 許可後の更新・変更届・経審・ビザとの連携サポート
まとめ
✅ 「一般建設業」は中小規模工事向け、
✅ 「特定建設業」は大規模元請工事向け
それぞれに許可要件・使い方が異なります。
まずは、自社のビジネスモデルに合った許可の種類を把握し、将来の発展に合わせた許可戦略を立てることが大切です。