Arashiyama Lantern Float

ペンタックスの一眼レフの手ブレ補正機能とレンズの爆速オートフォーカス機能を信じて、最初から最後まで手持ち撮影でした。写真家として、多くの観客がいらっしゃることが分かっていて、三脚を持ち込むような非常識な行動は取れません。

嵐山灯篭流しの初トライ撮影。涼しい風を受けての気持ち良い撮影となりました。

新調したばかりのペンタックスの一眼レフ、 K-1 Mark IIでの大胆なチャレンジ。

遠くに臨む鳥居形の送り火。

かつて広沢池で臨んだ鳥居形と異なる見え方を初めて経験しました。

撮影が終わって嵐山駅に向かったタイミングは、長年の撮影体験から自然と体が動いた結果。渡月橋の大混雑に紛れずに帰宅できました。

ペンタックスでの撮影の満足感とともに、静かにご先祖をお見送りできました。

合掌

場所:嵐山中之島公園
嵐山灯篭流しは、日本三大燈籠流しの一つ。
昭和24年、戦没者の霊を慰めるため灯篭による供養を始めたことに由来。

16 Aug Gozan Bonfire

First trial shooting of the ‘Arashiyama Lantern Float.’

Trusting in the image stabilisation function of my Pentax SLR and the explosive autofocus function of the lens, I photographed hand-held from start to finish.

As a photographer, I know that there will be many spectators and I cannot behave in an insane way like bringing a tripod.

A daring challenge with my new Pentax K-1 Mark II SLR.

The torii-shaped bonfire in the distance.

For the first time, I experienced a different view from the one of the torii-gata I used to see at Hirosawa Pond.

The timing of when I finished shooting and headed for Arashiyama Station was the result of my body moving naturally after many years of shooting experience. I was able to return home without getting lost in the huge crowds on the Togetsu Bridge.

With the satisfaction of shooting with the Pentax, I was able to see off the ancestors quietly.

Location: Arashiyama Nakanoshima Park
The Arashiyama Lantern Festival is one of the three major lantern festivals in Japan.
It originated in 1949 when memorial services using lanterns were started to comfort the spirits of the war dead.

photo equipment : PENTAX K-1 Mark II + HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE

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撮影者プロフィール

京都写真家 武蔵

1998年シンガポール駐在員時代に写真を始め、以来20年以上。京都をこよなく愛し、海外でも作品を展示。国際的視点で活動する写真家。光と影が織りなす瞬間に心を寄せ、普遍的な美の記録に取り組んでいます。

活動の中心は、インバウンド観光の急増などで悪影響を及ぼしている京都の景観を記録保存することに焦点を当てています。風景や人物などジャンルを越えて、被写体の「らしさ」とその瞬間の空気感を大切にしています。訪日外国人向けの撮影や、国内外での展示、文化交流事業への参加など、写真を通じた国際的な表現活動にも力を入れています。


2008年日本写真家協会(JPS)展 入選(プロ写真家への登竜門)

入選作品「祇園雪花」

主な活動内容
・風景撮影
・観光地や伝統文化の撮影
・ポートレート撮影
・商品撮影
・展覧会への参加

使用機材
Canon EOS R6 / その他レンズ各種

展示・掲載実績(一例)
・海外展示:米国 国際交流基金ロサンゼルス日本文化センター主催イベント /在ニューヨーク日本国総領事館主催桜祭り

・集英社 女性誌「éclat」2012年4月号「京都・奈良 桜の絶景めぐり」に掲載 

・パーフェクトポーションズ フォーシーズンズのカタログに掲載 

・海外向けインバウンドプロモーション用写真提供 

京都を撮り続けて20年以上。

光と影の中にたたずむ町家の軒先、静けさに包まれた早朝の石畳、そして暮らしの匂いが残る裏路地の風景。

観光パンフレットに載る“京都らしさ”ではなく、
そこに生きる人の営みと、時を重ねてきた空気―

そうした“ほんまもんの京都”を記録し、伝えていくことが、私の写真家としての使命。

しかし、その京都が、いま静かに壊されつつあります。

京都の町家は、風景ではなく生活そのもの

簡易宿所という名のビジネスによって、“暮らしの記憶”ごと売り飛ばされていく。

観光は京都を支える大きな産業です。それは間違いありません。
しかし、その観光が、「住む人のための京都」から、「見せ物としての京都」へと変質させてしまったのなら、それはもはや文化破壊です。

私が撮りたいのは、“観光地”ではない。
人が暮らし、集い、語らう「生きた京都」。

私はこれからも、京都を撮り続けます。
まだ残された“ほんまもんの京都”を、記録し、伝えていくために。
そして願わくば、「観光よりも、暮らしが主役のまち」に戻れるよう、少しでも力になりたい。

京都は、見るものではなく、生きる場所。

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