撮影機材:CANON EOS R6 + RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ふと足を止めた道ばたに、紫陽花がそっと色づき始めていました。
まだ淡く、たどたどしいその色は、まるで季節の扉が少しずつ開いていく音のよう。春の名残を背に、梅雨の気配が静かに近づいていることを、花々が誰よりも早く感じ取っているのかもしれません。
紫とも青ともつかぬ、移ろうその色合いは、まるで人の心のようで。晴れやかな日にも、どこかしら物憂げな雰囲気をまとっていて、つい目を奪われます。
今年もまた、紫陽花の季節が巡ってきました。満開にはまだ少し早いけれど、この「咲き始め」の一瞬こそ、見逃してはいけない美しさが宿っているように思います。
何気ない日常の中で、ほんの少し立ち止まって、足元に咲く季節の便りに目を向ける――そんな時間を大切にしたいものですね。