20年ぶりの回帰:Nikon Z fcと妙心寺退蔵院での新たな一歩

妙心寺退蔵院

シンガポールでの駐在員生活を終え、日本の土を踏んだ時、私の「写真修行」は新たなフェーズを迎えました京都に戻り、まず向かったのは、剣豪・宮本武蔵も精神修養の修行に励んだ退蔵院。

帰国当初はPENTAXのフィルムカメラを愛用し、デジタル化に抵抗を感じていました。しかし、時代に取り残されるまいと意を決し、2004年、Nikonからデジタル一眼レフ「D70」が登場した時、PENTAXの機材すべてを下取りに出して購入。これが、私とNikonの最初の出会いでした。

それから約20年。様々な機材を経て、今回私は「Nikonへの回帰」を果たしました。レトロなデザインと最新技術が融合したNikon Z fc、そしてそのポテンシャルを最大限に引き出すNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sレンズを手に、再びNikonユーザーとしてシャッターを切ることになったのです。

Z fcでの初撮りは、皮肉にも、そして運命的にも、シンガポールから本帰国した私の日本での「写真修行」のスタート地点である妙心寺退蔵院での撮影となりました。有難いことに、この時期でもまだ鮮やかな紅葉が残ってくれていました。

20年ぶりに戻ってきたNikonのカメラ。Z fcのクラシカルなダイヤルを回し、ファインダーを覗き、シャッターを切る。

その写りは、20年の時を経て、さらなる進化を遂げていました。最新のZレンズであるNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sによる描写は、細部の表現力、色の深み、クリアなコントラスト、そのすべてが「さすがNikon」、「最高」の一言です。

懐かしさと新しさが同居するZ fcを手に、私の原点である退蔵院の美しい景色を切り撮れたこの瞬間は、まさに「20年ぶりの帰還」を祝う、特別な一枚となりました。


嬉しいことに、私が以前撮影したお庭の四季を収めた絵葉書が、今もなお、退蔵院の売店で販売されていました。


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