特定技能外国人の休日が「契約と違う」!労働条件通知書の不一致が招く重大リスク

特定技能外国人 雇用契約書

特定技能外国人の受け入れを支援されている企業の皆様へ。

外国人経営者の中には、雇用条件書の定めを無視し、特定技能外国人の勤務曜日や休日を勝手に変更するケースが見られます。こうした行為に対する注意喚起が絶えません。

これは、日本の労働基準法において重大な問題であるだけでなく、特定技能制度を運用する上で在留資格の取り消しや、今後の外国人受入れに深刻な影響を及ぼしかねません。

特定技能外国人も日本人労働者と同様に日本の労働基準法が全面的に適用されます。ここでは、この「契約と実態の不一致」が招く法的な問題点と、企業が取るべき対応について解説します。


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⚠️ 労働条件の不一致が招く法的な問題点

特定技能外国人との間で、書面で交わした労働条件と異なる運用をすることは、主に以下の法的リスクを伴います。

1. 労働条件の明示義務違反(労働基準法第15条)

労働基準法では、労働契約を締結する際、使用者は労働者に対して労働時間、休憩、休日といった重要な労働条件を書面で明示する義務を定めています。

労働基準法上の問題点
契約との不一致労働条件通知書に「日曜日」と明記されているにもかかわらず、企業が実態として別の曜日を休日としている場合、これは当初明示された労働条件と異なって運用されている状態です。
明示義務違反この労働条件の変更が、労使間の合意に基づき、改めて書面で明示されていない場合、労働基準法第15条の明示義務違反となります。
特定技能の基準特定技能外国人の場合、労働条件を本人が理解できる言語で明示することが義務付けられています。単に口頭で伝えただけでは不十分です。

2. 特定技能制度における重大なコンプライアンス違反

特定技能外国人の受け入れにおいて、雇用契約の内容を適切に履行することは、在留資格の申請・更新の必須要件是。

  • 在留資格への影響: 雇用条件書と実際の労働実態がかけ離れている状態は、特定技能の受入れ基準を満たしていないと判断されます。その結果、在留資格の更新が不許可となる可能性や、最悪の場合、在留資格の取消しにつながるリスクがあります。
  • 届出義務違反: 労働条件(特に休日や年間休日日数)が当初の契約内容から変更された場合、受入れ機関は出入国在留管理庁への届出(特定技能雇用契約に係る届出)が必要です。この届出を怠った場合も、特定技能制度上の義務違反となります。

🎯 企業が今すぐ取るべき対応策

現在の勤務体制が労働条件通知書と異なる場合、速やかに以下の対応を取る必要があります。

1. 外国人本人との丁寧な合意形成

  • 現在の勤務体制を継続することが双方にとって合理的である場合、その理由を特定技能外国人本人が理解できる言語で丁寧に説明します。
  • 変更後の休日、労働時間、賃金などの新しい労働条件について、本人の自由な意思に基づき合意を得てください。

2. 変更後の労働条件の書面による再明示

  • 合意に基づき、変更後の労働条件を記載した「雇用条件書」を、改めて理解できる言語で作成し、交付します。
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