✅ はじめに
外国人のワーキングホリデー参加者の中には、日本での生活や就労経験を経て、正社員として日本企業で働き続けたいと希望する方も少なくありません。一方、企業側も即戦力となる人材を確保する手段として、彼らの正社員登用を検討するケースが増えています。
しかし、ワーキングホリデー中の外国人を正社員として雇用するためには、現在の「特定活動(ワーキングホリデー)」から、就労可能な在留資格へと変更する必要があります。本記事では、企業が採用を検討する際に押さえておくべきポイントや、在留資格変更の可能性診断について、行政書士の視点から解説します。
🟦 ワーキングホリデーとは?在留資格の概要
🟨 ワーキングホリデーの基本的な制度内容
ワーキングホリデーとは、二国間協定に基づき、一定の年齢(日本では概ね18〜30歳)までの若者が日本に最長1年間滞在でき、文化交流や就労体験が認められる制度です。
🟨 就労の範囲と制限について
ワーキングホリデーの在留資格(特定活動)は、本来「滞在費補助を目的とした付随的就労」に限定されており、正社員としてのフルタイム就労や長期的な雇用は前提とされていません。
🟨 滞在期間の制限と正社員登用との関係
在留期限は最長1年間で延長不可。よって、そのまま正社員として継続雇用することはできず、別の就労可能な在留資格への変更が必須となります。
🟦 正社員として雇用する場合の法的ハードル
🟨 なぜ「在留資格変更」が必要なのか
ワーキングホリデーはあくまで一時滞在を前提とした資格です。日本国内での就労を継続するには、出入国在留管理庁が認める就労系在留資格への変更手続きが必要です。
🟨 ワーキングホリデーからの変更は可能か?
変更自体は可能ですが、職務内容や本人の経歴・学歴によっては不許可となるケースもあります。適切な資格を選定し、説得力ある資料を添付する必要があります。
🟨 雇用形態と業務内容によって判断が分かれる理由
例えば、単純労働(ホールスタッフなど)ではビザが認められにくく、専門性・技術・知識を要する業務であることが重要な判断材料となります。
🟦 在留資格の可能性診断とは?
🟨 本人の学歴・職歴・スキルの確認ポイント
「技術・人文知識・国際業務」等の就労ビザでは、原則として大学卒業またはそれに準じた学歴が必要です。また、職歴や言語スキル(例:翻訳、貿易事務など)も判断材料となります。
🟨 企業側の業種・職務内容の整理
職務内容が在留資格の定義に合致しているかどうか、会社側の業種が適正かどうかを確認することが重要です。
🟨 マッチングによって見えてくる「変更可能な在留資格」
たとえば、調理師経験者なら「技能」、通訳や海外営業なら「技人国」、IT関連なら「技術」といったように、条件に応じて最適な資格を選定することが可能です。
🟨 典型的な変更先ビザの種類と要件
- 技術・人文知識・国際業務(技人国)
- 技能
- 経営・管理(将来的に起業する場合)
- 特定技能(要技能試験・日本語試験合格)
🟦 企業が準備すべき書類・対応
🟨 雇用契約書・職務内容説明書の作成
在留資格変更申請では、具体的な職務内容と契約内容が重要視されます。単なる「営業職」ではなく、「海外取引先との英語での交渉を伴う営業」といった具体性が必要です。
🟨 就労ビザ変更申請の流れと期間
申請から結果が出るまで、通常1〜2ヶ月程度。余裕を持って準備を進めることが重要です。滞在期限ギリギリの申請は避けましょう。
🟨 専門家(行政書士等)への相談のメリット
採用する側にとっても、在留資格制度は複雑で判断が難しい部分が多くあります。専門家に診断・申請を委託することで、スムーズかつ確実な対応が可能となります。
🟦 具体的なケース別の対応例
🟨 ケース1:大卒で専門知識・技術を持つ → 「技人国」ビザ
大学での専攻内容が企業での業務に活かされる職種(例:経済学 → 経営企画部門、情報科学 → システム開発)であれば、「技術・人文知識・国際業務」への変更が見込めます。
🟨 ケース2:調理師経験豊富 → 「技能」ビザ
本国での調理師経験が5年以上あれば、和食・中華など専門料理分野で「技能」ビザが認められる可能性があります。
🟨 ケース3:ホールスタッフ → 難易度高
接客業務だけでは就労ビザが認められにくいため、店舗マネジメントや外国語対応などの付加価値を示す工夫が必要です。
🟨 ケース4:大学専攻と業務が一致 → ビザ取得しやすい
例:情報科学専攻でプログラマー職を希望、経済学専攻でマーケティング部門勤務など、大学で学んだ内容と職務内容が明確に一致している場合は、「技術・人文知識・国際業務」ビザの認定率が高くなります。
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