私たち行政書士のもとには、実際にこういった依頼が寄せられることがあります:
「日本語が苦手なので、申請内容は全部書いてください」
「補助金の仕組みはわからないけど、通るように作ってください」
「どんな内容を書けばいいか分からないので、そちらで考えてください」
お気持ちは理解できます。しかしながら、行政書士は事業の実態や計画を把握せずに、創作的に書類を“作ってあげる”ことはできません。
これは行政書士法に反する行為であり、私たちにとっては業務として引き受けること自体が不可能なのです。
補助金は「もらえるお金」ではなく、「選ばれる支援」です
補助金は、国や自治体が地域経済の発展や中小企業支援のために用意している制度ですが、誰でも無条件でもらえるものではありません。
申請には、
- 事業の具体性と実現可能性
- 明確な収支計画
- 公的資金としての適正な使途
が求められ、審査によって選ばれた事業のみが交付されます。

補助金申請は「作文」ではありません
補助金申請書は、ただ「うまく書けば通るもの」ではありません。
実際に行う事業を根拠として、明確な数値と目的を持った内容が必要です。
架空の事業計画や、根拠のない経費積算に基づいて申請した場合、
- 採択後に経費が認められない
- 不交付や返還命令が出る
- 故意と見なされれば、詐欺罪に問われる
可能性もゼロではありません。
安易な申請は、信用を失う第一歩
補助金はあくまでも「信頼」に基づく制度です。
形式だけ整えた申請は、審査ですぐに見抜かれますし、仮に採択されても、後の報告義務や実績検査に耐えられない場合、不交付・返還・調査対象になる可能性があります。
誠実な申請が、事業の信頼を生みます
行政書士は、みなさまのビジネスが長く日本で根づくよう、
制度を正しく理解し、申請者ご本人の“実際の計画”に基づく書類作成をサポートしています。
「全部任せる」という姿勢ではなく、必要な情報をしっかり提供いただき、一緒に考える姿勢が最も大切です。

信頼できる専門家と、地に足のついた申請を
補助金をうまく活用するには、十分な準備・現実的な事業計画・適正な経費管理が不可欠です。
行政書士は、そのための支援をする存在であり、「書類を整えるだけの代筆屋」ではありません。
外国人経営者のみなさまが、日本で安定的に事業を進めるためにも、制度の正しい理解と誠実な申請姿勢が最も大切です。
補助金は、正しく使えば心強い味方です
「簡単」「もらえる」という甘い言葉に乗せられて申請することは、むしろリスクを高めます。
信頼を積み重ね、将来につながる申請を一緒に目指しましょう。
制度や申請書類について不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
もし補助金申請を検討される場合、次の3点をまずご確認ください:
- あなたの事業内容は、補助金の目的に合っていますか?
- 今後の事業計画や経費は、説明できる根拠がありますか?
- 制度の内容を、最低限はご自身で理解する意思がありますか?
この3点をクリアしたうえであれば、行政書士として誠実にお手伝いさせていただきます。