【重要】帰化申請中に「転職」はできる？申請への影響と失敗しないための鉄則ガイド

2025年10月13日2025年10月29日

🔔 1. はじめに：帰化申請中の「変化」が与える影響

日本国籍の取得を目指す帰化申請は、申請から許可まで1年〜1年半という長期間にわたります。この期間中に、「より良い条件の会社に転職したい」「やむを得ず離職した」といった、職業や収入に関する変化が生じることは少なくありません。

しかし、帰化申請では「生計の安定性」と「納税義務の履行」が極めて重要であり、申請内容の大きな変更は、審査を長期化させたり、最悪の場合、不許可の原因にもなりかねません。

本コラムでは、帰化申請中に転職・離職が発覚した場合の具体的な影響を解説し、申請を成功に導くためにあなたが取るべき鉄則と行動を、専門家の視点からお伝えします。

帰化の要件の一つである「生計条件（生計の安定性）」とは、申請者本人や配偶者の資産・技能によって、日本で安定した生活を営めることを指します。

転職による懸念： 転職直後は収入が不安定になりがちです。審査官は「転職によって本当に生活が安定するのか？」「単なる条件の良い仕事への安易な転職ではないか？」という点を厳しくチェックします。
離職による懸念： 離職は、収入が途絶えることを意味するため、「生計条件を満たさなくなる」と判断される最大の不許可要因となります。

転職した場合、法務局は「変更後の勤務先」の経営状況、安定性、給与体系を再審査します。そのため、通常の手続きに追加で新たな勤務先の資料提出が求められ、審査期間が数ヶ月〜半年以上長期化する主な原因となります。

転職後の給与が、前職よりも大幅に下がった場合や、試用期間中に申請が再開された場合、生計条件が不安定と判断される可能性があります。離職中であれば、再就職までの期間によっては「申請取り下げ」を勧められることもあります。

転職の理由や、新しい勤務先を選んだ経緯について、**詳細で納得のいく「理由書」**の提出が求められます。この説明が不十分だと、審査官への心証が悪化し、不許可に繋がるリスクがあります。

やむを得ず帰化申請中に職業や収入に変更があった場合、以下の3つの鉄則に従って行動してください。

変更が生じたら、必ず速やかに担当の行政書士、または法務局の担当官に連絡し、その事実を報告してください。隠蔽しようとすると、かえって「素行の善良性」に問題があると判断され、致命的な不許可理由となります。

なぜこのタイミングで転職したのか、そして新しい職場でどのようなキャリアプランを描いているのかを、帰化への意欲を損なわないよう、論理的に説明した詳細な理由書を作成します。

帰化申請中の転職・離職は、高度な専門知識を要する対応が不可欠です。

対応の迅速化： 変更が生じた際に、法務局への報告タイミングと提出すべき追加書類を迅速に判断し、審査の長期化を最小限に抑えます。
「理由書」の作成： 審査官が納得する、説得力のある転職理由書を作成し、申請者の心証が悪くならないようサポートします。
不許可リスクの診断： 転職後の収入や勤務先の状況を冷静に診断し、不許可のリスクが高い場合は、最適な対応策（例：申請の一時的な取り下げと再申請）を提案します。

帰化申請は、手続き自体が「あなたの日本への定着の意志と安定性」を証明するプロセスです。申請中の変化はリスクとなりますが、適切に対応すれば乗り越えることが可能です。

帰化申請中に転職・離職をされた方は、手遅れになる前に、専門家である当事務所にご相談ください。