外国人を正社員として雇用する時のビザ手続き完全ガイド

外国人雇用 行政書士

近年、日本国内の人手不足やグローバル化の進展に伴い、外国人材を正社員として採用する企業が増えています。特にIT、貿易、観光、飲食などの分野では、外国人社員の採用が企業成長に直結するケースも珍しくありません。

しかし、外国人を正社員として雇用するには、必ず「在留資格(ビザ)」を確認し、採用する職務内容とビザの活動内容が合致している必要があります。正しく確認をせずに雇用した場合、不法就労助長罪に問われるリスクもあり、企業にとって大きなリスクとなります。

この記事では、外国人を正社員として雇用する際に必要なビザの種類、採用前に確認すべきポイント、留学生を正社員にする場合の注意点、会社側が準備すべき書類、よくある不許可理由と対策をわかりやすく解説します。企業の総務・人事担当者の方はぜひ参考にしてください。


目次

1. 外国人を正社員として雇用できる在留資格

外国人が日本で働く場合、「就労可能な在留資格」を持っている必要があります。正社員雇用でよく利用される代表的な在留資格は以下の通りです。

技術・人文知識・国際業務

  • 最も一般的な就労ビザ。
  • 大卒または同等の学歴、もしくは10年以上の実務経験が必要。
  • 専門的・技術的分野(ITエンジニア、設計、研究開発、人事・経理、通訳・翻訳など)での業務に従事可能。
  • 単純労働は認められない点に注意。

経営・管理

  • 会社経営者や役員を対象とする在留資格。
  • 会社設立時の資本金が500万円以上(2025年4月以降は3,000万円に引き上げ予定)。
  • 実際に事業を運営する体制が整っていることが条件。

高度専門職

  • 高度な学歴・職歴・年収などをポイント制で評価。
  • 永住許可が早期に取得できるなど優遇措置あり。
  • 外国人研究者や大手企業の幹部候補を採用する際に有効。

永住者・日本人の配偶者等

  • 就労制限がなく、どのような職種でも働くことが可能。
  • 採用リスクが少ないため、企業にとって安心度が高い。

2. 採用前に必ず確認すべきポイント

外国人を採用する際、面接や内定段階で次の点を確認することが重要です。

在留カードの確認方法

  • 表面:氏名、在留資格、在留期間、就労制限の有無を確認。
  • 裏面:在留期間更新や資格変更の履歴が記載。

在留資格と職務内容の適合性

  • 例えば、飲食店ホールスタッフを「技術・人文知識・国際業務」で採用することはできません。
  • 学歴や職歴と職務内容の関連性を必ず確認する必要があります。

在留期限の確認

  • 契約予定期間が在留期限を超える場合、更新が前提となります。
  • 採用時に「更新可能かどうか」を見極めることが重要。

3. 留学生を正社員にする場合の注意点

近年、留学生アルバイトをそのまま正社員に採用するケースが増えています。

在留資格変更が必須

  • 「留学」から「技術・人文知識・国際業務」など就労ビザに変更する必要があります。

必要書類

  • 卒業証明書や成績証明書
  • 採用予定の職務内容を示す雇用契約書
  • 会社概要や事業計画書

不許可になりやすいケース

  • 単純労働に近い職務内容(例:レジ打ち、清掃、接客のみ)
  • 学歴と職務内容が一致しない(例:文学部卒でシステムエンジニア採用)
  • 会社の経営状態が不安定

4. 会社側が準備すべき書類と手続き

外国人を採用する場合、会社側にも提出が求められる書類があります。

主な必要書類

  • 雇用契約書(日本人社員と同等条件であることが必要)
  • 会社の登記事項証明書
  • 直近の決算書または損益計算書
  • 事業内容を説明する会社案内資料
  • 採用理由書(外国人を雇用する必要性を説明)

提出先

  • 出入国在留管理局にて在留資格変更・認定申請を行います。
  • 会社が代理申請をするのではなく、外国人本人が申請者ですが、会社側の協力書類が不可欠です。

5. よくある不許可理由とその対策

在留資格の申請が不許可になる理由は様々ですが、企業側の準備不足が原因となることも多いです。

典型的な不許可理由

  • 職務内容が在留資格に合わない
  • 会社の財務基盤が弱く、継続性が疑われる
  • 外国人本人の学歴や経歴が不十分
  • 書類に不整合がある

対策

  • 採用前に「この職務内容でビザが通るか」を専門家に確認する
  • 会社の経営基盤を示せる資料(黒字決算書、納税証明書)を準備
  • 職務内容を日本語と英語で明確に記載し、専門性を強調する

6. 行政書士に相談すべきタイミング

外国人雇用に慣れていない企業の場合、以下の段階で行政書士に相談するとスムーズです。

  • 採用を決定する前に、候補者の在留資格で正社員雇用が可能か確認したいとき
  • 在留資格変更や認定申請に必要な書類を整えたいとき
  • 過去に不許可経験がある外国人を採用する場合
  • 複数の外国人を同時に採用する場合

行政書士に相談することで、採用リスクを大幅に減らすことができます。


まとめ

外国人を正社員として採用する場合、最も重要なのは 在留資格と職務内容の適合性を確認すること です。採用後に「実はビザが取得できない」という事態を避けるためにも、採用前から適切な準備を行うことが欠かせません。

企業にとって外国人採用は大きなチャンスであると同時に、ビザ手続きを誤ると大きなリスクとなります。人材確保を成功させるためには、制度を正しく理解し、専門家のサポートを活用することがポイントです。

当事務所では、外国人正社員の採用に関する在留資格チェックから申請書類の作成まで一貫してサポートしています。外国人採用をご検討中の企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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